No more WAR, We want PEACE! 有事法制は国家守って人守らず。私たちは反対します!
反戦・平和アクション
更新:2003年1月14日(火)1:10 (日本時間)

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12.16 東京国立市有事法制廃案を求める意見書

 有事法制について全国で唯一、国に44項目もの質問書をつきつけた国立市(東京都・人口7万3千人)ですが、国の対応があまりにもひどいので、ついに小泉首相に廃案を求める意見書を突き付けました。
 既に最初の回答が来た6月の時点で、その回答のひどさに上原ひろ子市長は「これでは反対と言わざるをえない」と議会答弁していました。
 その後、再質問書送付、市報や市ウェブページでの公開、職員研修や市民向け公開学習会などを重ね、現在、市のウェブページ上に有事法制のページをつくって、質問書とその回答・意見書を掲載しています。

 質問書回答で特にひどいのが防衛庁の回答(防衛庁ウェブページに掲載されたもので、国立市の質問に直接答えたものではない)で、なんと防衛出動時の武力行使(自衛隊は自衛隊法88条)は、国内法令違反をしても正当な行為として刑事上の責任を問われることはないという免罪規定です。
 民主党や公明党などは「自衛隊の文民統制(シビリアンコントロール)のために有事法制は必要」などと実におめでたいことを言っていますが、実態は、自衛隊の超法規的行動にお墨付きを与えているのです。

自衛隊法改定のQ&A
http://www.jda.go.jp/j/library/law/kaisei2/q-a.htm

 国立市は市内に大規模な軍事施設や交通施設を抱えているわけでもなく、大平洋戦争の頃の原爆や大空襲のような被害もほとんどありません。こんな一見、平凡かつ平和なまちが全世界にむけて平和の実践のための声を上げていくことが重要だと考えています。有事法制は軍事基地のある街や戦争被害のあった街、有事だけの問題ではなく、平時の一見平和なまちの問題でもあるのです。


【有事法制ページの国立市長巻頭あいさつ】
http://www.m-net.ne.jp/~kunicity/yuzi.html

      戦争への備えに反対し、平和憲法の理念を守ります

 有事法制関連3法案のページにアクセスいただきありがとうございます。
 この3法案はご承知のように本年2月の通常国会に提出されたものです。有事法制に関しては、批判的世論の中でこれまで見送られてきたものですが、国民の議論もないまま唐突に提出され、しかも国民、地方自治体の「協力」「責務」「役割分担」が明記されているにもかかわらず、その内容はほとんどが分からないという疑問の多いものです。
 地方自治体の第一の責務は「市民の生命・財産を守ること」にあります。有事というものが何を想定してのことなのか、私たち国民や自治体は何を担わされるのか、何も分からないままでは、市民に対する説明責任を果たすことはできませんし、法先にありきでは責任を負うことはできません。
 そこで、国立市では3法案に関する疑問を明らかにするため、5月16日、7月16日の2回にわたり、政府に対し質問書を提出してきました。しかし残念ながら、当市の質問に対する回答は、決して満足のいく誠意ある内容ではありませんでした。このページに載せたQ&Aは、質問に対する回答と思えるものを当市でピックアップして整理したもので、回答がなかったものも含まれています。
 昨年アメリカで起こった9.11の同時多発テロでは、約3000人という尊い生命を奪う決して許すことのできない悲しい出来事でした。しかし、その後巻き起こった報復を「正義の戦争」とする論調に関しまして私は大変憂慮しています。そのアフガニスタン空爆で私たちが目にしたものは、犠牲になったのがささやかで平和な暮らしを求めている罪のない多くの市民であり、幼い子どもたちであったという事実です。また、10月16日にはアメリカの同時多発テロでお兄さんを失ったライアン・アムンドソン氏(平和な明日をめざす9.11遺族の会「ピースフル・トゥモローズ」)が訴えのため国立市に来訪くださいました。その際「生命の尊厳を基本として、怒りの側ではなく、悲しみの側に立って考えるべきであり、戦争では何も解決しない。」と深い悲しみを乗り越えたライアン氏からの世界に向けたメッセージがありました。
 私たちは、報復は報復の連鎖を生むだけであることをしっかり認識しなければならないということを痛感しました。
 また、日本は過去の戦争を深く反省し、二度と再び過ちを繰り返さない証として「国際紛争を解決する手段として、武力の行使は永久に放棄する。」とした憲法を制定しました。そして私たちは、そのことを誇りとして、この半世紀の間「平和」への努力を重ねてまいりました。政府が「戦争は高度の公共の福祉である」ことを根拠とし、9.11を追い風のように提案した有事関連3法案は、この憲法の基本理念を根底から覆すものです。
 国立市では、2000年を期して「この世に正しい戦争などない」という文言を刻んだ平和都市宣言をいたしました。私は、平和都市宣言を行った市長として「備えあれば憂いなし」は、戦争への備えではなく、平和に向けての日々の努力こそが我々の義務であることを信念としたいと思います。
 当市が発信した質問書が少しでもこの法案に関する国民的または市民相互の議論が巻き起こるための起爆剤になってくれればと考えております。
 このページを読んで、疑問に思うことや意見がありましたら、メール等を送付いただければ幸です。
 なお、恐縮ですがメール等への返信につきましてはご容赦ください。

                          2002年10月17日
                          国立市長 上原公子


 小泉首相あて意見書

                        国企政発第65号
                        平成(ママ)14年12月2日
内閣総理大臣
小泉純一郎様
                        国立市長 上原公子

          有事法制関連3法案に関する意見書

 国立市は、2000年を期し、「国立市平和都市宣言」を行いました。この宣言文には、20世紀の悲惨な戦争歴史が「正戦」という大義名分のもとに繰り返されたことを深く反省し、21世紀は、いかなる戦争も認めない平和な世紀となるよう願いを込めて、「正しい戦争というものはない」という文言が刻んであります。しかし、昨年のアメリカに発生した同時多発テロ以来、アメリカでは「報復は正戦」との論調が高まり、このような事態に呼応するかのように、4月17日に国会に「有事法制関連3法案」が上程され、多くの国民が不安を感じております。当市におきましても、様々な市民の訴えがあり、平成14年国立市議会第1回定例会にて、「有事立法に反対する意見書」が可決されました。
 当市では、議会の意志を踏まえ、また3法案と自分との具体的な関わりに不安を持つ市民に対する説明責任を果たすため、5月16日付けで内閣総理大臣に「有事法制関連3法案」に関する質問書を提出し、回答を求めました。再三の回答要求に、ようやく6月21日付けで回答をいただきましたが、具体的な44項
目の質問に対して、全く回答がないものや、明確な回答となっていないものが多く、やむなく7月16日に再質問書を提出いたしました。しかし、9月9日内閣官房、9月24日防衛庁より2ヶ月もかかって出された再質問に対する回答は、「個別には直接回答しない、ホームページを見るように」というものでした。 
 この有事法制関連3法案は、国民の生命・財産に重大な影響があり、かつ国の方針を大きく転換する、国民がもっとも危機感を持った法案であり、かつ政府自身が、3法案に関して国民や地方自治体の理解を得るための活動を行っているといいながら、市民を代表する自治体の長名で提出した質問に回答しないという対応は、全く納得できるものでなく、はなはだ遺憾であることをまず申し上げます。
 当市の、2度にわたる質問書に対する政府回答を検証した結果、現在提案されている「有事法制関連3法案」は、重大な問題があることを、以下3つの観点から意見を申し上げます。

1. 軍事的公共の名のもとの基本的人権の侵害
 「武力攻撃事態に対処するという高度の公共福祉のためには、合理的な限度において国民の基本的人権に対する制約があり得る」としているが、このことは、軍事を高度の公共の福祉(通常の公共の福祉より優位)と位置づけ、憲法で保障された基本的人権を軍事のために制約することを認めたものである。
  そもそも憲法第9条で、国権の発動たる戦争と、武力の行使を、国際紛争を解決する手段として永久に放棄しており、軍事的公共性など一切認められていない。軍事がすべてに優位する「高度の公共の福祉」とすることは、憲法の基本理念を根底から覆すものである。

2. 国民の協力と指定公共機関の責務は、国民統制につながる危険性
  「武力攻撃事態法案」でいう国民の協力は法的義務を生じるものではないとしているが、先頃示された「国民の保護のための法制」の概要によれば、「国民の権利及び義務に関する措置として、医薬品、食品、緊急物資の保管命令、売り渡し要請又応じない場合は収用、土地、建物等の一時使用又は物件の使用もしくは収用」と、財産権に関わることに関して、単なる協力のお願いではなく、法的強制力を持つものにもなり得る。また、このことに違反し、阻止等の行動があれば、処罰の対象にもなるものである。
  自衛隊法改正案では、施設の管理、土地等の使用、取扱物資の保管・収用についての強制権をもつものとして明確になっており、結果的に、これらの措置を通して、国民の協力は強制を余儀なくされ、思想、信条の自由をも侵されることになる。
  また、指定公共機関に従事する者は必要な措置を実施する義務を負うことになるが、指定を受ける機関は、公共的機関から公益的事業を営む法人とされ、市民生活に密着した広範囲の法人が指定される可能性がある。そして、指定公共機関は、自衛隊、米軍の軍事行動の支援も含まれるため、軍事協力の責務も生じることになる。
 指定公共機関に従事する国民は、多数に上り、従って、国民は否応なく財産権の侵害のみならず、軍事協力に駆り出される可能性を限りなく持つことになる。
 さらに、指定公共機関としての放送事業者については、民間放送事業者もNHKと並んで指定される可能性があるとし、新聞についても、一般的には考えにくいとしているが、否定はしていない。これは、報道を政府の統制下に置くものであり、国民の知る権利、報道の自由を侵害する極めて危険性のあるものである。

3. 地方自治の侵害
 内閣総理大臣による「指示」や「直接執行・代執行」については、自治事務についても「指示」等の対象とされており、憲法に保障された地方公共団体の地方自治の本旨に基づく独立性、自主性を根底から否定することになる。地方自治体は、住民の生命・財産を守ることを第一の責務として負っている。有事法制関連3法案による地方公共団体の責務は、市民を軍事協力に追い立て、また、米軍の軍事行動を円滑に行うための協力を強いられることにより、逆に市民の生命・財産を危険にさらす役割を地方自治体自身が果たすことになる。

 日本は、第二次世界大戦での行為の過ちを深く反省の上に、一切の武力を排し、非戦国を宣言した平和憲法を有することにより、この半世紀、国の武力による他国の人を一人たりとも殺すことなく過ごすことができました。このことは、私たち国民の誇りであり、国際平和のために貢献することが、日本の果たす役割であると信じております。しかし、今政府が備えようとしていることは、武力による憎しみの連鎖に荷担していくことです。いままでかつて、人類の歴史の中で、武力により問題が解決したことがあったのでしょうか。暴力から平和は決して生まれません。それは力による制圧にしか過ぎないからです。アメリカの報復名目のテロ殲滅作戦によるアフガニスタン攻撃は、結局、あまりにも多くの罪のない子どもや市民を殺してしまいました。「有事法制関連3法案」も、敵国の武力攻撃から国民を保護するためと言いつつ、周辺事態と併存することにより、すでに国民を広範な戦争に巻き込む可能性をもたらしています。小泉総理大臣が、「有事法制関連3法案」は「備えあれば憂いなし」と称されているように、この3法案は、不明瞭な武力攻撃事態を想定することにより、今後は平時から国民の間に有事に備えた組織が作られ、国民の有事訓練を行うことにより、有事が日常化されていくことになると危惧されます。
 備えるべきは有事のためではなく、日々の平和への努力であり、日本は今こそ平和の使者として「国際社会において、名誉ある地位を占める」ための国際貢献をすべき時です。上記指摘のように、「政府の行為によって再び戦争の惨禍が起こることのないようにすることを決意」した日本国憲法に反する重大な問題を持った「有事法制関連3法案」は、平和都市宣言をしている自治体の長として、到底容認できるものではありません。「有事法制関連3法案」を廃案にすることを強く求めます。

(東京・国立市、重松)

 

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