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法案の第1の問題点は、「武力攻撃事態」の定義にあるように、それが起こったりその「おそれ」のある事態のみでなく、武力攻撃が「予測される」事態にも適用することにより、実際には来るべき米軍の戦闘作戦行動に対して日本が後方支援を開始した時点で、この法を発動しようとしている点である。法案は、イラクや北朝鮮などへの米軍の武力行使を支援するための動員体制づくりをめざすものであり、万一の「武力攻撃」に備えるどころか、「武力攻撃」を招く危険性をつくりだすものである。
第2に、法案は、「武力攻撃事態」には、いちいち国会の審議抜きに、自衛隊の軍事行動を認め、また米軍、自衛隊の軍事作戦に対して地方自治体や運輸・医療などの民間企業を輸送、補給、修理などのために強制動員する体制づくりをはかっている。
第3に法案は、「武力攻撃事態」の認定とそれに対する国民動員態勢づくりの「対処基本方針」を閣議決定で実施できるようにしている。確かに、対処基本方針は決定後「直ちに」国会にかけ承認が得られない場合には速やかに解除するといっているが、閣議決定された対処基本方針は同時に実施に移されているのであり、これを国会が止めることは事実上困難であり、国会審議は歯止めとならない危険性が大きい。
「万一の武力攻撃」を引き起こさないためには平和憲法に基づくふだんからの努力こそが必要である。法案は、平和憲法によりつくられてきた「万一を起こさないための備え」を真っ向から否定し、平和憲法の破壊を完成に向かわせるものである。
植村勝慶(國學院大學法学部)、浦田一郎(一橋大学法学部)、小松浩(三重短期大学)、笹沼 弘志( 静岡大学教育学部)、竹森 正孝(
岐阜大学地域科学部)、 永田 秀樹(立命館大学国際関係学部)、古川 純(専修大学法学部)、三輪隆(埼玉大学教育学部)、柳井健一
(山口大学経済学部)、和田進(神戸大学)、渡辺治(一橋大学社会学部)
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