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中村哲「アフガン復興一問一答」、タリバン後のアフガンの実像
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Publicity
No.153(2002/03/06/水)
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「Publicity」(パブリシティー) 編集人:竹山 徹朗
E-mail:freespeech21@yahoo.co.jp
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↓過去の【フリースピーチ】登場者↓
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山口二郎(北海道大学教授)
浅野健一(同志社大学教授)
渡辺武達(同志社大学教授)
永江朗(フリーライター)
岡留安則(月刊『噂の真相』編集長)
マッド・アマノ(パロディスト)
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◆◇目次◇◆
【メディア時評】
▼中村哲「アフガン復興一問一答(その2)」
【@編集室】
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【メディア時評】
▼中村哲「アフガン復興一問一答(その2)」
以前に紹介したアフガン復興一問一答の続編が出た。
▼アフガンいのちの基金No.88
アフガン復興一問一答(その2)
2002年3月3日(日)
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●現在の「アフガン復興」の状態は?
○総論があって各論がない状態である。
一部には積極的に活動している団体もあるが、少数の動きだろ
う。「東京会議」でアフガン側の期待が膨らんだだけに、即時
実施できるものは実施しないと、裏切られた感情が広がってゆ
くだろう。
現在、首都カブールでは、援助団体の豪勢なオフィスだけが立
ち並んでいるのは異様である。外ではその日の食にもこと欠く
乞食が沢山いて、まるで敗戦直後の占領軍のように国際治安支
援部隊がパトロールしている。
このままでは、民衆の気持ちが離反する。反英米感情は、ます
ます高まっている。やがて爆発するのは目に見えている。依然
として「緊急状態」が続いていると考えてよい。
●政情不安で活動しにくい面があるのでは?
○地方は確かに治安が悪くて活動しにくい。現在の政治的な確
執の構図は、一口で言えば米露の暗闘である。大量のロシア製
武器が、旧北部同盟軍とそのシンパに流されている。強盗・略
奪は珍しくない。
麻薬栽培も、堂々と行われるようになった。地域によってはタ
リバン旧政権下の秩序を懐かしむ声も根強い。しかし、支援は
大都市については可能。できることはいくらでもある。ただ、
政治・軍事に触れることをタブーにすべきだ。「どんな政治体
制ができようと内政問題だ」との認識で臨めば、さほど障害は
考えられない。
要は、一般の民意を汲むことが重要であって、政治を論ずるこ
とではない。昨年、大干ばつで人々が数キロの道のりを歩いて
水を得ていた最中に、ある国際団体は娯楽用のプールを作って
いたことがあった。西欧人に悪意はなくとも、これでは人々が
信用しないだろう。現在の状態は、まさにその連続である。
●あなたが指導する立場だとしたら、まず具体的にどうするか
。
○先ず、民衆を食わせることだ。荒廃した首都の建設事業や土
木工事を大規模に始め、失業者を一時的にでも減らす。それだ
けでも政治安定につながることを誰も言わない。先進国側の論
理に立つ綺麗ごとが余りに多すぎるのだ。
首都カブールは奇妙な町で、ものの流通はさほど障害がないの
に、民衆の購買力がない状態である。しかも、現在の大都市は
旱魃避難民があふれている状態である。社会不安を一掃するの
は暴力でもなく、美しい理念でもない。それは、満足な衣食住
である。これら国内避難民は、多少の収入さえあれば、故郷へ
残した家族を養い、小規模な投資を準備して戻る機会を窺うこ
とができる。アフガン農民は簡単に自分の土地を捨てない。
考えもなく目立つ上部構造だけに湯水のような金を注ぐのは良
くない。アフガン社会基盤の整備への投資であるべきだ。現段
階で民衆は実は地雷除去や教育よりも、生存することを欲して
いる。彼らの声が国際社会に殆ど届かないのだ。
●日本のODA(政府開発援助)の建設事業は、過去評判が良
くないこともあったが?
○アフガンの今の実情の中では、違う。中流・上流層だけでな
く、下層の膨大な人口(農民、都市貧民)に建設事業や土木工
事を通じて雇用機会と収入源を与えれば、それだけでも政治的
安定につながるだろう。現在の趨勢は、アフガン社会の中では
むしろ少数である西欧化した上流層の意見が、先進国に説得力
をもって歓迎されているきらいがある。
この際、躊躇することはない。土木建設関係の援助は日本の得
意とするところだ。民衆は必ず歓迎する。政府施設、中流層の
住むアパートの改修、道路の補修、水道設備など沢山ある。貧
民も中流層も、みな歓迎する。ただし、これは急場しのぎであ
って、次に必要なのは農村生活の保障に重点を置いた土木工事
、水利施設だろう。
●カブール中心の支援だけでよいのか?
○今はそれが最善だ。また当分はそれしかないだろう。飢餓民
が集中しているので援助効率がよいこと、目の行き届く支援が
できること、国家再建の中堅たる中流階級を呼び返せることと
密接につながってくる。
●NGOの役割については?
○はっきり言って、援助ごっこではいけない。また民間の限界
がある。案外知られてないが、声なき一般のアフガン民衆の多
くが、NGO事業を「偽善的ビジネス」だと嘲笑、軽蔑してい
ることを知っておくべきだ。
NGOの良さは、政府にも国連にもできない、小回りのきく模
範的な小規模プロジェクトを通じて、現地の真のニーズを訴え
続け、結果的に良い方針を共に生み出してゆく原動力であるべ
きだ。話題性に飛びついて、名を上げることに腐心するように
なっては本末転倒だろう。
まして、政治交渉の手引きをしたりするのは危険だ。アフガン
社会は一筋縄ではゆかない。特定の勢力だけとの接触では、誤
った方針に結びつきかねない。政治は政治家に任せて置けばよ
い。
●援助の実施時期については?
○食糧配給、貧民救済、土木建設事業を中心とする首都再建に
ついては今!この数ヶ月が鍵である。
その他のことは実情を把握しながら、ゆるりゆるりとやればよ
い。
●ペシャワール会の方針は?
○「アフガン問題」は、再び忘れ去られてゆくだろう。だがペ
シャワール会の方針は、これまで変わりなかったし、これから
も変わらない。
ジャララバードを拠点に東部の農山村を中心とした活動を継続
する。但し、カブールの都市貧困層への支援は、数年後を射程
に入れて積極的に続ける。第二期計画では、干ばつ対策と荒廃
した農村復興モデルが大きな柱となっている。
(PMS病院長 中村 哲)
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▼前にも書いたが、「アフガンに菩薩あり、そして修羅あり」
の感をいっそう深くする。
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○「アフガン問題」は、再び忘れ去られてゆくだろう。だがペ
シャワール会の方針は、これまで変わりなかったし、これから
も変わらない。
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「寡黙な言葉」、というか、鈍く光る老漁師の背中のような言
葉である。一切の助力を信じず、しかもなお、ではなく、それ
ゆえに、人間の底力を信じていることが深々と伝わってくる言
葉である。
ムネオ問題を巡ってマスメディアが一斉に演じてくれた「公正
報道という名の現実追従」ぶりを取り上げようと思っていたが
、この文章を読んでアホらしくなってやめた。ここまでくれば
、メディア・マヒもいっそ天真爛漫である。中村哲の文章を載
せる方が何万倍も価値がある。
で、また中村哲の講演会があるということで、紹介しておこう。
●中村哲講演会
いま考えたい 飢餓や干ばつに苦しむ
アフガニスタンのために 私たちに なにができるのか
2002年3月9日(土) 13:00開場 13:30〜
埼玉県健康センター2階ホール (県庁第2庁舎裏、最寄駅:
浦和駅)
主催:埼玉憲法フェスティバル実行委員会
人数:500名
参加費:1000円 (ペシャワール会を通じてアフガン復興
に役立てられます)
●中村哲講演会 『もの言わぬ民の命を』
〜アフガニスタンでの18年の医療活動をとおして〜
2002年3月10日(日) 午前10:30〜
三軒茶屋教会 (田園都市線 三軒茶屋駅南口より徒歩4分)
主催:日本キリスト教団 三軒茶屋教会
人数:150名 入場無料
●中村哲医師現地報告会 −アフガンを緑の大地に−
2002年3月17日(日)
14時から
名古屋工業大学 講堂にて
(地下鉄鶴舞駅、JR中央線鶴舞駅から徒歩5分)
会費500円 予約不要(800名収容)
主催:ペシャワール会名古屋
▼行ける人は、マジで行った方がいい。なぁんてぼくが書かな
くても行ける人は行くだろうけどね。
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