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反戦・平和アクション
更新:2002年2月17日(日)4:20 (日本時間)

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中村哲「アフガン復興一問一答」、タリバン後のアフガンの実像(「Publicity」より)

中村哲「アフガン復興一問一答」、タリバン後のアフガンの実像

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Publicity
No.099(2002/01/10/木)

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「Publicity」(パブリシティー) 編集人:竹山 徹朗
E-mail:freespeech21@yahoo.co.jp

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↓本誌に登場した“フリースピーカー”たち↓

魚住昭(フリーライター)第1号掲載
山口二郎(北海道大学教授)第5号掲載
浅野健一(同志社大学教授)第9号掲載
渡辺武達(同志社大学教授)第16・95・96・97号掲載
永江朗(フリーライター)第19・20・24・25号掲載
岡留安則(月刊『噂の真相』編集長)第26・27・28号掲載


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目次

【メディア批評】
中村哲――アフガンの菩薩

▼「ジャララバードにやっと戻ります」
ジャララバード初め地方都市は百鬼夜行、これが「アメリカの正義」の実態だろう

▼「アフガン復興一問一答」
ここに、「日本にとってのアフガン」の実像が書き込められている

【転載】
オバハンからの緊急レポート
▼冷静沈着なムシャラフ大統領

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【メディア批評】

中村哲――アフガンの菩薩

前号で、長いと皆読まないから短くしよう、とか書いておいて、いきなり長文である。失礼。

しかし、ここにこそアフガンの実像があるのではないか、と思った次第。

マスメディアが報道しなくなっただけで、生き残っているアフガンの民衆の地獄の苦しみは、今日を生き延びる戦いは、当たり前のように続いている。


◆知るべき情報を知る、という戦い

▼本当に、日本のマスメディアはアフガンに飽きてしまった。驚くべき事態ではなかろうか。

▼しかし、中村哲のペシャワール会のWebサイトがある。そしてオバハンからの緊急レポートがある。ぼくは、ありったけの尊敬の念を込めて、この二人に代表される不惜身命の人々を、「生命尊厳の戦人(いくさびと)」と呼びたい。

▼アフガンからのパキスタンからの、まるで檄文のような報告を、「読むだけ」の人が大半だろう。たまに、寄付金を送る人もいる。でも、たいていは、そこまでだ。みな、忙しい。実際、他にできることは思いつかない。自分の生活がある。ぼくだって、転載したり紹介したり、せいぜいやっていることはそれくらいなものだ。

でも、何もしないわけにはいかないではないか? それに、「知ること」の人間にとっての力を、ぼくは信じている。知るべき情報を知る、という戦いの価値を、ぼくは十分に認めている。

▼知ること。知っている、ということが、不条理の中で生きようとしている当人にとって、どれほどの生きる力になるか。前へ進む力になるか。なるかも知れない。ならないかも知れない

マスメディアは逆のことをしている。

他人に知らせてはいけない個人情報を知らせて、市民が知らなければいけない公的情報を隠匿する。そうして飯を食っている人間の生活は、やっぱり豊かなのだろうか。そこに「人間の生き方としての豊かさ」が、見当たるだろうか。

人はパンのみによって生きるものではない、という一言は、やっぱり真実なのだ。

パンが食えても食えなくても、生きる人間は生きる。腐る人間は腐る。

▼そうして考えると、二つの道がある。

“だから”知らないでいいんだ、とする道と、

“それでも”知ろう、とする道と。

知り続けようとする道を、ぼくは選び続けようと思う。それは、何とかできそうだ。
せめて「無知という名の無慈悲」を、「だって所詮他人事だよ」といった言い訳で塗り飾るようなマネを、したくない。単純にそう思うだけだ。

忘れてはいけないとの、自戒の意味を込めてもう一回書いておこう、はるか異国の地・アフガニスターンで、人間の生存のための戦(いくさ)は、まだ続いているのだ。

▼ほとんど全ての――そう、“ほとんど”全ての−−既成のマスメディアが「魂の死」を迎えたいま、市民社会におけるインターネットの価値の一つは、間違いなく「知る権利」の行使にこそにあるだろう。だから、権利を行使しなければ、自分が「最低限度の市民生活」を送れているのかどうか、という損得勘定から言っても、勿体ない話なのだ。

なお、言わずもがな、マスメディア内で踏ん張る個人の価値を、ぼくは強く強く認めているつもりだ。どこであれ、“そこ”に葛藤する人間がいるかぎり、ぼくの問題関心は“そこ”から離れることはない。

ほんとうの問題は、いつも人間の心の中で起きる。だから、ほんとうの問題の解決も、人間の心の中で起きる。

その原理を信じようとしているぼくは、解決のための材料を、自他共に共有したいという欲望に突き動かされて、駄文を書き続けるのか。


▼「ジャララバードにやっと戻ります」

http://www1m.mesh.ne.jp/~peshawar/inochi-r72.html
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「アフガンいのちの基金 現地報告」No.72
ジャララバードにやっと戻ります(抜粋)
2002年1月7日(月)

ジャララバード初め地方都市は百鬼夜行。無秩序がアフガニスタン全土を覆っている。 NBCニューズ、CNNら西側の主要メディアさえも呆れて退散、正直に旧タリバン政権の秩序を賞賛する状態。しかし、安定に向けて水面下で、地元民自らの手で確実に何かが進行中。PMSもこの「何か」に沿って協力、平和な農村生活の奪回を目指します。

〔参考記事:1月6日付け、ニューヨーク・タイムズ紙より〕

タリバンから開放されたアフガンの都市、盗賊の支配に戻る〔ジャララバード発1月5日〕 

サングラスをかけ髭を生やした仲買人がアフガン兵と門で会った後、州の治安警備詰所に招き入れられた。と、しばらくして男はビデオテープ2本、アルバニアのパスポート、モロッコの身分証明書と9枚のCDが入ったかばんを持って出て来た。男が言うには、ビデオテープが1,600ドル、パスポートと
身分証明書が各400ドル、CDが一枚400ドルだという。近くのトラボラのアルカイーダの洞窟から持って来たもので、地元諜報長官から買ったのだという。売り手の長官は当分身を隠しておかなければならないとも。

「今日これを全部買ってくれれば、今度はもっと価値のあるパスポートを持って来るぞ。」と、ジャララバードの上級司令官ハッジ・ハザラット・アリの元で働く外科医、自称ドクター・カムランは言う。「サウジ・アラビア出身のムジャヒディンのパスポート2つだ。それがあんたのものになるぞ。」

だれも買わないと分かると、彼はもう一度詰所に戻り、空手で出て来た。共謀者の微笑みを浮かべて「明日、買ってくれるかな?」という。

これが今のジャララバード。ちんぴらと盗人の町。

インドとアフガニスタンを結ぶグランドトランクロードが通る町ジャララバードは数世紀に渡って密輸業者の巣窟だった。しかしここ数年はタリバンの厳格なイスラム法と公開処刑の導入で犯罪が減っていた。

そのタリバンが去った今、ジャララバードとその周辺のニングラハル州は、再び武将やゲリラの支配下に落ち、一挙に全てが腐敗した町に転じてしまった。

ゲリラたちは外部者を威嚇・脅迫し、援助物資輸送団から食糧を奪い、米特殊部隊に協力して情報収集していると言いつつ、一方で同じ収集資料を街角で売っている。新たに任命されたジャララバード市長アブドゥル・ガッファール氏は「誰もがどこでもアルカイーダの物品を売ろうとしている。本物もあれば偽物もある。全く恥ずかしい限りだ。」と言う。

米特殊部隊は引き続き東部評議会(シューラ)と協力しているが、ゲリラに金を払って協力を得ているのかどうかは明らかでない。
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これが「アメリカの正義」の実態だろう。


▼アフガン復興一問一答

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No.71アフガン復興一問一答
http://www1m.mesh.ne.jp/~peshawar/inochi-r71.html

2002年1月4日(金)
PMS病院長 中村 哲

●今戦争の話題から復興に話が移りつつあるが、国内の治安や安全性はどうなのか?
○カブールなどのいくつかの大都市では外国人は活動可能だ。しかし当分「治安維持」は点と線だろう。広大な農村部や山岳部は今までと変わらないだろう。


●新政権への信頼性はどうなのか?
○複雑な要素がある。農村部と都市部では異なる。都市部でも貧困層とエリート層では異なる。一般のアフガン人は、これまで様々な権力の変遷を体験しており、よほどの善政を敷かないと崩壊する。アフガン人にとっての共通の善政とは、以下に尽きる。
1)外国人勢力に後押しされない「独立アフガニスタン」の権力であること。
2)十分な衣食住、その基盤である国内治安を保証すること。
3)各地域のアフガン人の文化や慣習を尊重すること。


●「外国人勢力に後押しされない」とは、今の多国籍軍隊の派遣と矛盾しないか?
○矛盾する。元タリバン政府のザイーフ駐パキスタン大使が「占領は容易だが、維持は困難だ」と初めから述べている。アフガニスタン史上、一時的に外国人に押されて成立した政権は、直ぐに崩壊し、永続した例がない。北部同盟系の人々でさえ、内心現在の英軍駐留に敵意を抱いているのが真相だ。力関係が変化すれば、今度は英米軍に襲いかかる。多国籍軍主力の英国は、かつて2回の英国アフガン戦争で同様な負け方をしている。過去の敗北の歴史から、「今度は見放さない」と述べているが、実情を知らぬはずがない。


●国内治安は暫定政権だけで守れるだろうか?
○そこに、暫定政権統治と多国籍軍存在との撞着がある。英米なき権力では反乱が防げないし、英米を頼みとすれば心からのアフガン民衆の支持が得られない。タリバン政権が外国たるパキスタンの支持を背景に成立していたのは、そこに民心をつかむ術があったからだ。即ち、イスラム教的なアフガン文化の背景を尊重したからだ。


●では、どうすればよいのか。日本に今考えられる方策があるのか。
○ある。先ず軍事や政治権力に関わるところで表に出て、墓穴を掘らぬことだ。そもそも日本はアフガニスタンとは何の利害関係もなかった。後始末は散らかした張本人たちにやらせればよい。平和を欲する民衆は争いを好まないだろう。現在彼らが急務なのは生存することである。いずれ地縁血縁を軸にする「無秩序な安定」が来るだろう。とりあえず民衆の生存さえ保証されれば、今はどんな形でも悪いことではない。日本はひたすら「内政干渉」と取られぬ支援を実行し、あくまで地域の文化や伝統を尊重する態度を貫くことだ。


●「教育援助」が取り沙汰されているが・・・
○これは、ある意味で戦争以上に重要である。但し忘れてはならぬ重大な点がある。この際、都市と農村伝統社会の併存を許す寛容性を取り戻すことが一つのカギである。旧ソ連と欧米はアフガン農村生活を無視し、旧タリバン政権は都市生活を無視してきた。だが、西欧的な価値観をある程度受け入れる素地は限られた大都市の、限られた階層にしかない。

教育は地域の文化や宗教に触れる問題である。文化的二重性を承知のうえでしないと、とんでもないことになる。昔日本が失った伝統的な教育は農村でまだ息づいていて、それがアフガニスタンの底力を提供している。そして、アフガン人の9割以上が農民なのだ。アフガニスタンの古い教科書にはこう書いてある。「アフガニスタンは農業国です。様々な仕事がありますが、農業が最高の職業です」農業という生産基盤は今も変わらない。今後も、変わらないだろう。また、わざわざ変える必要もなかろう。農業の滅亡はアフガニスタンの滅亡である。

日本方式の丸写しは失敗するだろう。第一、日本自身が「教育問題」を抱えているではないか。むしろ日本の失敗を省みることだ。脱亜入欧を掲げた明治政府でさえ、廃仏毀釈の愚を知って、漸進的な方策をとらざるを得なかった。日本的価値観は温存したのだ。

戦後は、もっとひどかった。占領軍に「好戦的・封建的」と烙印を押された伝統を、良し悪しにかかわらず根こそぎ葬り去ってしまった。日本人の道徳的変質や誇りのなさはそのツケである。その功罪を論ずるのは政治的と取られ、アフガンの教育と無関係なようだが、そうではない。これは国家の進路にかかわる問題である。自給自足の循環型農業を基盤とする農業立国を目指すのか、商業・工業社会に変えてしまうのか、或いは第三の道=それらの適度の並存を目指すのか、国家の進路は教育によって大きく左右される。

世界の画一化を進めるグローバリズムの奔流に陰りが見え始めた今、単なる復古主義でもなく、文明の反省とも言うべき「平和な脱グローバリズム」の台頭と共鳴する社会建設は、地域循環型農業と連動して、アフガニスタンで可能性を秘めている。そのことが射程に入れられている限り、「アフガン教育支援」は、我々の未来をも占い、重大な国際的意義を担っているとしても誇張ではない。日本自身の見識が試される重要な協力である。


●地雷撤去については?
○1千万発という地雷埋設に、米軍のまいた厄介なクラスター爆弾が加わった。除去作業は難航を極めるだろう。しかし、いくつか頭に入れておくべき特殊事情がある。

1.埋設地雷の事故は、このところ激減してきている。直接の脅威にさらされる農民自身が埋設場所をこの10年で熟知しており、かなりのものが住民自身の手で処理されてきた。

2.日本とアフガン現地とでは、安全感覚が異なる。完全性を目指せば目指すほど、コストは莫大なものになる。撤去方法の適当な妥協は避けられない。ある程度の試行錯誤を経て、現地に合う方法が確立してゆくだろう。技術の誇示や押し付けはいけない。


●医療については?
○これも単に高度技術の輸出や、維持困難な機械の診断に過度に頼る診療は避け、受益者負担を減らす方式を構ずべきである。アフガニスタンの大半が無医地区であることを忘れてはならない。アフガン人医師は沢山いるが、技術的には数十年前のものである。先進国で教育を受けたアフガン人医師は、ごく限られた場面で、多数の進んだ検査や器具のあるところだけで腕を発揮できるだけだろう。しかも、先進技術を学んだ医師たちは、やがて外国に行けることを望んでいるのが現状である。

大衆の大半の病気は、感染症と外傷だけで8割以上を占め、アフガニスタン全土の農村部が無医地区に近く、まともな医療施設のある所を探すほうが簡単だ。WHOなどの活動も奥地までは及ばない。このことは知っておかねばならない。

感染症治療のノウハウは現地医師の方が詳しい。ただ、改善すべき点は、医師を初めとする医療従事者のモラル、基礎的臨床技術の改善である。大都市の病院建設は意義があるが、既設の病院運営はロシアが人材もノウハウも心得ていて、既に動き始めている。

PMS=ペシャワール会としては、農村部の診療を重視し、基礎的な臨床教育を施し、簡単な検査で診断と治療ができるオーソドックスなやり方を大幅に取り入れようとしている。また、現在の診療所運営方式は、ひとつのモデルとなり得るだろう。インド・パキスタンで見られる方式(Basic Health Unit)は、構想としては良かったが、事実上機能しないのは20年以上を経て実証済みである。一時流行したコミュニティ・ヘルス・ケアも、伝統的農村社会の理解を捨象したために、ほぼ行き詰まりが見られるのが実情だ。繰り返すが、アフガンはアフガンに適した方策を模索せねばならない。


●農業復興支援は?
○大干ばつというハンディの中で行われるので、簡単ではない。基本的には地域単位の小規模な循環型農業(自給自足)であるべきだ。ただ、地下水利用も限界がある。国家的規模としては、貯水ダムと運河の建設が干ばつ対策として大きな力になるだろう。(急峻な地形を利用する水力発電もダムによって可能となる。アフガニスタンを石油依存体質にしてはいけない)

農村の再建こそ、アフガニスタンの活力を回復する。ペシャワール会=PMS(ペシャワール会医療サービス)はこれを最大の課題として、東部の限定された地域で総合的な農村復興のモデルを実施しようとしている。これは医療や教育とも切り離せない。かと言って、昔のままで良いという訳でもない。息長い
取り組みが必要である。「寛容な地域主義」と「自給自足」はアフガン農村の特質である。これこそ、世界が失い、先進諸国を筆頭に、心ある多くの人々が回復を求めているものだ。大資本を投下せねば成り立たぬ農業の商品化は、封建的地主制度よりも有害である。村人が自力で出来る最低限の投資、地域別の密な支援とケアが最も適している。

尤も、根本的な旱魃対策は、先進諸国の工業化、大型消費経済の抑制、すなわち地球温暖化防止対策と切り離せない。その意味でも、アフガン農村の復興は、世界的な経済動向と密接に関わっている。こうして、アフガン農村の回復が人と自然、人と人の関係を根本から問うものであることを考えると、人間の未来を担う前哨戦だと述べても決して過言ではない。私たちもこの支援を通じて自分たちの足許をも見つめることが出来るからだ。
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【@編集室】

▼発信するネタがちょっとたまっていて、当分は毎日発信するハメになりそうですナ。どうぞおつきあいのほどを、ワハハ……。


【転載】
在パーキスターン20年 督永忠子
「オバハンからの緊急レポート」
▼冷静沈着なムシャラフ大統領
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<1月10日> 00:32

事務所の大住が、某TVドキュメンタリーのリサーチでカラチへ行き、帰って来た。

イスラマバードの最高気温は22度だが朝晩はマイナス気温。イスラマバードから30度のカラチへ行けば気分は真夏感覚。暑くて毛穴が全部開いたという大住は、イスラマバードへ帰って来てストーブの前に座り込み、霜焼けになった手をいたわっている。石造りの家の中はとにかく冷え込む。

印パ戦争は冷静沈着なムシャラフ大統領によって、当面の危機はこえたかのように思われているが、軍部を含めカラチ市民もまだ警戒を緩めてはいない。

カラチの海岸沿いには、インドからの攻撃に備えトーチカがズラリと作られ、高射砲も東をシッカリ睨んで並んでいたと。さらに、沖合いの米軍艦隊からはB52が次々と発進されて空爆が続行。アメリカはオサマ・ビン捕捉といい続けながら、あくまでも在庫一掃に励むつもりのようだ。

一般市民は12月半ばの段階で、すでにWTCで亡くなった人を上回っているのに、これでも日本政府は、まだ空爆停止を進言しないのだろうか?

もし、報復と言うのならWTCで亡くなった生命以上を取ったではないか。オサマ・ビンを捕らえるのが目的だったのなら、どうして本気で捕らえないのか……。

先般来たアメリカ人のカメラマンが言う。

アフガニスターン一般市民の死傷者数を記事にする場合は、CNNは本社命令で「このようなことが起るのも、ビン・ラディンの起こした犯罪が原因である」と言う事を必ず付記することが条件になっていると。


<1月10日> 00:26

某TVスペシャル番組。

カーブルから帰ってきた関係者が泣く。

「ディレクターが若くて真っ直ぐなので、難民達へのインタヴューで『難民はウソつきだ』って怒るのですヨ」

「初めに何回も言ったンだけれどネ。難民達は人前でのインタヴューに答えないヨって。それを忘れて、ちゃんと答え易い環境を設定してやらない方が悪いヨ。第一、パーキスターン人ガイドの前で、アフガン人達が本当のことを言うもんですか」

ニュース以外では、どのディレクターも企画書というものを上司に提出、それに沿ってシナリオも殆どが決まっている。数は少ないが老練で腹の据わっているディレクターになると、現場でシナリオとまったく逆の結果が出る事実やインタヴューになっても、「これも現実」とアタマの切り替えが出来るのだが、若いディレクターは上司にシナリオ変更が言えずに、事実と異なるものを撮って帰って編集するから恐ろしい。

難民は「エサを与えられ、家畜にしてしまってはならない」という事実を、もっともっと報道する必要がある。毎日、汗水をたらして、それに対する対価として援助物資を貰い、人間として生きることを思い出させ、その支援をしなくてはアフガンは元通りにならない。

難民に聞いた話しを真に受け、悲しく辛いだけの難民物語に酔いしれてはならない。

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