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この一年余、ペシャワール会はアフガン大旱魃の対策に、全精力を傾けてきました。東部で658ヶ所での水源作業(井戸・灌漑用水路)を行い、128ヶ村約25万人の流民化を阻止しています。医療支援でも、既存の3診療所に加えて、無医地区と化した首都カブールに5つの臨時診療所を開き、絶望的な人々に大きな励ましを与えてきました。さらに9月に入り、カブールでさらに5ヶ所の診療所を増設、水源事業も一千ヶ所に拡大、予想される深刻な事態に対処する備えをしていました。
その直後、11日にアメリカのテロ事件が起こり、それに対するアフガンへの軍事報復の動きが伝わってきました。今私たちの活動が停止すれば、戦慄すべき事態となります(国連は餓死者だけで600万人と予想しています)。犠牲になるのは全て無抵抗の農民や貧民、子どもやお年寄り、弱い者です。これはもはや「テロ対策」という範囲を超え、必ずや歴史的なホロコーストとして永久に汚名を残す所業です。
武力報復は憎しみを沈潜させ、さらに根深い報復を生み出します。報復協力者・日本の安全もまた、かつてない危機にさらされるでしょう。テロの防止は、暴力ではなく、命の大切さを人々の心に訴えることによってのみ、力を持つことができると信じます。
平和の維持には戦争よりも勇気と忍耐が要ります。私たちは不退転の決意で、報復回避への訴えと現地事業の継続努力を実行いたします。皆様の御理解を、世界の良心と共に切に訴えるものであります。
2001年9月
中村 哲
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