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反戦・平和アクション
更新:2002年8月10日(土)18:10 (日本時間)

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◆8.2 バーバラ・リーさん来日講演会

※8月2日、アメリカ議会でアフガン報復戦争にただ1人反対したバーバラ・リーさんが来日し、講演会を行いました。本文は、竹野内真理さんによる講演内容のメモです。

 私の選挙区は、多民族であり、意識が高い人々が多いです。また、金持ちとそうでない人も公正さを保っている人であり、また平和運動が魂を持っているところでもあります。

 日本に8月という特別の月に来日できたことを光栄に思います(彼女は3日には広島に行く予定である。彼女の希望だと言う)。また、9月は私達の記憶に永遠に残る月でもあります。私達は子供達のために、戦争によってではなく、外交、経済的な投資、話し合いによる交渉によって、平和を構築する手段を求めなければならないと思っています。私は政治家としてこうした義務があります。

 私達は軍拡に歯止めを掛け、人権を擁護すること、また歴史から学ぶ必要があります。ガンジーやキング牧師の言葉や行動を改めて思い起こすべきです。キング牧師は言いました。「私にはより良い未来をつくる夢がある。すべての人種が平等になるという夢がある。」さらに重要な言葉がありました。それは、「全ての人々が平和を理解しなければならない」と言うことばでした。暗殺される一年前、彼はこう言い残しています。「全ての国々は、人々に最良のものを残すよう、全ての人類に思いを馳せるべきである」。つまり、「我々は人種を超え、階級や国家を超えて、世界全体の兄弟愛を求めなればならない。積極的に無条件に人を愛さなければならない」ということです。

 去年の9月、すべての米国民、世界の人々が、怒り、悲しみました。そして深いショックと失意の中から徐々に我々は今も回復途中です。ペンタゴンの壁は改装され、貿易センターの瓦礫は、悲しいことでありますが、除去されています。新たに認識させられた、我々の持つ脆弱性を意識し、それから警備や防衛が強固になりました。交通機関、発電所、その他の施設の警備強化がなされています。9.11は、癒えることのない傷となるでしょう。

 NYは世界経済の中心であり、亡くなったのはアメリカ人だけではありません。日本人の犠牲者もあったことでしょう。遺族の人達の悲しみは、癒えていません。私自身、怒り悲しんだのです。私は、テロリストに裁決を下すために全ての手段を講じることを心から望んでいます。しかし、戦争に訴えることには反対です。世界全体の意識を高め、何が起こっているかを知り、世界をより安全にすることが大切です。

 では、9.11以降の動向と私の意見を述べます。3日後の9.14には、「大統領に対して、(誰が対象になるかもわからない)報復攻撃に反対する」私は国会議員の中でたった一人戦争に反対する人間となりました。

 アメリカ議会の決議では、「大統領は、テロをおこなう、または援助する、またはかくまう国、組織、個人に対する武力を行使する権限がある。」となりました。そして、この決議は世界のどこも当てはまり、時間的にも無期限だというのです。このような広範な権限を議会は大統領には与えました。私は、このような政治力を大統領ひとりに明渡すことに反対です。このような権限は憲法上、議会にあるはずです。

 私は自分一人が反対する議員だとはしりませんでしたが、(議員の中には疑問視する声もあったようですが)可能性はあると思っていました。米国の過去を見ると、実際に一人で決議に反対する議員と言うのもいた事を知っていましたし、私は当時も、今も、反対票を投じたことは、正しかったと思っています。民主主義とは自由に意見交換ができるものです。疑問が投じられないのでは民主主義ではありません。

 テロリストは法によって裁かれるべきであります。どんな国、個人、組織であってもこの考え方を理解しないのは、過ちだと思います。そして罪のない人を危険に晒すような軍事行動は間違いです。そして私達の現在の姿勢は、我々の子孫、われわれの国、世界の未来を決定するものなのです。

 私達はテロリストから自らを守り、警備を強化することを、国際的に協力してやらねばいけません。また、外交と発展にこそ投資をするべきです。そして我々自身の安全保障を強化し、その実現のためにはさまざまな角度から、世界中で、自らの手で達成すべきであります。

 核兵器がどこに向かって発射されてもおかしくない今日、私達は全ての危険の可能性を追及すべきであります。アメリカは、今単独主義を進めて同盟国を無視していますが、これは大いなる間違いで、テロに対決するには、協調と平和と持続可能な社会を目指さなければなりません。

 キング牧師は言いました。「平和とは、緊張がないと言う状態ではなく、正義が存在することである」と。国家予算の優先順位を見ると、正義がその国でなされているかどうか明白であります。多国籍企業や軍需産業のリーダー達は(シンクタンクなどを通し)、大変歪曲した予算の分析や優先順位の決定を行っています。現在、アメリカは軍事予算では世界一なのに、教育の質は10位でしかありません。核兵器の貯蔵量は世界一である一方、新生児死亡の予防率は13位であります。

 大統領が2003年度の予算提案を提出しましたが、軍事費は4000億、国際費の予算はたった230億でした。海外支援はGDPの0.1%で80年度の半分に過ぎず、他の先進国に比べても低いものです。優先順位のつけ方やビジョンに欠けているといえます。アメリカの連邦予算は変えなければならないし、他国の発展にもっとお金をかけるべきです。

 私は国の政府機関に平和省というものをつくるべきだと思います。この私の考える省庁レベルの機関は、平和を実現するため、正義を民主主義的に促進し、具体的に方策をたて、アメリカおよび世界の紛争を話し合いなどによって解決するものであります。

 9.11日の後、安全保障の戦略のため、国防省長官の横に平和省長官がいて、外交政策を議論したらどうなっていたでしょう。戦争は代償を伴うものです。私達は平和こそを現実的なものにしなければなりません。

 テロと対決するには、貧困、病気、経済的な格差の是正、よりよい価値観の構築を目指すべきです。アメリカの一方的な行動は、テロの解決にはなりません。私達は、この難題に協力して立ち向かわねばなりません。

 例えば、HIVは猛威を振るっていますが、アフリカでまず大問題となり、それからアジアに時間差で来ています。中国、ロシア、インドなどが続いてしまっています。温暖化や環境問題がさらに世界的に悪化しています。大量破壊兵器が拡散しています。

 一国主義ではこの危機は回避できません。国際協力は大切であり、国際機関、国連はその意味において重要です。

 以前私は、エイズ、マラリア、結核を撲滅するためにアメリカが資金を提供するために動くように、クリントン大統領に働きかけ、超党派の決議を通しました。

 アメリカは京都議定書の決議に従い、温暖化対策をするべきです。私はまた京都議定書を離脱しないようにという決議案を作成しました。

 これらの問題は国家の利益であると同時に世界の利益でもあります。

 またアメリカは、大量破壊兵器の危険性を回避するために、ABM条約を保持し、核兵器を廃絶するために努力するべきであります。これらの問題において、私は一人でありません。今、ABM条約からの脱退に反対する訴訟を大統領に対して行っている最中であります。

 大統領の権限は無限ではありません。私は、アメリカの憲法を擁護し、また権力の分立を唱えています。

 政治家の中には、ミサイル防衛を提唱する人もいます。これは間違いであり、このシステムは、また多額の予算を必要とし、新たなる軍拡を促進しています。

 アメリカは核兵器の不拡散を進めるべきで、軍拡を進めることではないのです。

 また、包括的核実験禁止条約も批准すべきでした。生物兵器、化学兵器なども含む大量破壊兵器に反対する国際条約にも再度加盟するべきです。

 このような方向こそが答えとなるはずです。つまり、答えは、一国主義ではなく、他国主義にあります。

 皆さんもこの答えを知っているはずです。私達は共に協力し、潜在能力及び資源をひきだし、民主主義や人権主義、平和を勧めるために共に行動すべきです。

 まず、人々の意識を高める必要があります。平和と正義のために国際的な運動をつくるための意識を構築するべきです。地球の将来のため、対話を進めるべきであります。

 私達は自分達の信ずる信念に基づき、何が大切かと言う自分自身の基準を持ち、困難な道を突き進んでいく必要があります。それによってこそ、テロによる自由の侵害を防ぐことができるはずです。

 また、平和を推進するためには、病気や貧困、失望の念に対処すべきであり、まず希望をつくるべきです。希望こそが怒りや憎しみに対処するものであります。

 そして、草の根運動、NGO、市民活動を通し、具体的な解決を見出していくべきであり、政策に働きかけるべきであり、人々の力を引き出していく必要があります。

 平和こそがわれわれの最終目的であり、われわれは行動しなければならないのです。というのも、我々が行動しなければ、誰も平和を構築してくれないからです。

 最後にもう1度、来日してこのような機会を与えられたことを感謝致します。

参考サイト
「バーバラ・リーさんを日本に呼ぶ会」公式サイト


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